【Copilot】Copilotの現在と未来 – Microsoft×OpenAIが拓く新時代

「Microsoft」と「ChatGPT」

Microsoftが開発するOS「Windows」は、家庭から会社、学校のいたるところで利用されています。
普段見えないところでも、買い物するときのレジのシステム、飲食店やホテルといった様々なサービスの予約管理、さらには公共交通機関の運行管理システムなどといったところにもWindowsは活用されており、生活には欠かせない存在です。

また、同じくMicrosoftが開発するソフトウェア、表計算ソフト「Excel」、文章作成ソフト「Word」、プレゼンテーションソフト「PowerPoint」などが利用できる「Microsoft Office」や「Microsoft 365」も、学校や職場で使ったことがある方がほとんどでしょう。 
大学生のレポート作成、ビジネスでの書類作成や新製品のプレゼンなど、幅広く利用されています。


そんな、私たちの生活に身近なWindowsMicrosoft 365で、話題の生成AI「ChatGPT」を使えることをご存知でしょうか?
今回はMicrosoftとChatGPTを開発するOpenAI社との提携と、今後の展望について解説します。

1.MicrosoftとOpenAIのパートナーシップ

OpenAIは2015年12月に設立された企業で、2019年7月22日(米国時間)には、OpenAIとMicrosoftはパートナーシップを締結しました。
その後、2022年11月に皆さんもご存じの対話型生成AI「ChatGPT」を発表し、一躍世間に広く知られるようになりました。
このパートナーシップは、MicrosoftがOpenAIに対して大規模な投資を行い、AIの進化を促進することを目的としています。
具体的には、OpenAIのAIモデルがMicrosoftの製品に導入される一方で、Microsoftが提供する「Azure」が、OpenAIの唯一のクラウド基盤として技術的な支援を行っています。
2025年1月21日には、両社のパートナーシップが2030年まで継続されることが発表されました。


参考URL:Microsoft と OpenAI、AI の新時代に向けてのパートナーシップを強化 – News Center Japan
参考URL:マイクロソフトと OpenAI がパートナーシップを拡大 – News Center
参考URL:OpenAI、マイクロソフトと コンピューティングパートナーシップを締結 新しい Azure AI スーパーコンピューティング技術の構築へ – News Center Japan

Copilotが活用する生成AIモデル『GPT-4o』

CopilotはMicrosoftによって開発されたAIアシスタントで、OpenAIが開発した生成AIモデル「GPT-4o」を活用しています
Webや文献などの膨大な知識に基づいて、チャット形式での受け答えが可能で、アイデアやアドバイスの提供、疑問への回答など、多彩な用途でユーザーをサポートすることができます。
さらに、Microsoft365アプリ内でも、会議、メール、チャット、ドキュメントなど、日常の業務を通じて集積されたデータをもとに動作する Microsoft 365 Copilot としてアシスタントとなってくれます。

参考URL:すべての人のための副操縦士: Microsoft 365 Copilot Chat が登場 – Windows Blog for Japan

2.推論に特化した生成AIモデル「OpenAI o1」

「OpenAI o1」 とは?

OpenAI o1はOpenAIが2024年9月12日に発表した大規模言語モデルで、GPT-4oを補完するモデルとして位置づけられています。
o1は思考プロセスの改善によって自らの誤りを認識することができるため、多くの難問を倫理的に推論できるモデルで、GPT-4oが得意としなかった問題を解決する能力を持ちながら、OpenAIの試験では物理、科学、生物の分野で、博士課程の学生と類似のパフォーマンスを発揮するとしています。
しかし、GPT-4oよりも回答が遅く、ウェブ検索や画像や音声の解析ができないといった短所も存在しています。

参考URL:OpenAI、推論する新AIモデル「o1」を発表。規模以外での進化を示す | WIRED.jp
参考URL:OpenAI o1が登場 | OpenAI

「OpenAI o1」を利用した Microsoft Copilotの新機能「Think Deeper」の公開

2025年1月30日に、Microsoft AI の CEOである Mustafa Suleyman 氏のSNSへの投稿で、OpenAI o1を活用した高度な推論が可能となるCopilotの新機能、「ThinkDeeper」の利用が無料で可能となるとアナウンスされました。

Today we’ve made Think Deeper free and available for all users of Copilot. This now gives everyone access to OpenAI’s world class o1 reasoning model in Copilot, everywhere at no cost. I urge you to give it a try. It’s truly magical. Think Deeper helps you:

翻訳した文章
本日、Think Deeper を無料で Copilot のすべてのユーザーが利用できるようにしました。これにより、誰もがどこからでも無料で、Copilot の OpenAI の世界クラスの o1 推論モデルにアクセスできるようになりました。ぜひ試してみてください。本当に魔法のようです。 Think Deeper は次のことに役立ちます。

Mustafa Suleyman – X.com より引用

アナウンス当日から、ThinkDeeperは無料ユーザーも利用可能になりました。

前述のとおり、OpenAI o1はGPT-4oを補完するモデルとされているので、そのことからCopilotはGPT-4oを活用しながらも、新しい機能としてo1を利用できるようにThinkDeeperが登場したと考えられます。

ThinkDeeperは、Windows 11に組み込まれた「Microsoft Copilot in Windows」、もしくはWeb版Copilotで利用できます。

『OpenAI o3』の公開

OpenAIはOpenAI o1の後継となる「OpenAI o3」を2024年12月に発表しました。
o3はo1と同様にScience(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Mathmatics(数学)の頭文字を取った「STEM」の推論に最適化されており、AIの推論力をテストする「ARC-AGI」では、o1より優れた回答を示すデータがとられています。
また、o3はo1のパフォーマンスに匹敵しながら、o1-miniよりも正確かつ、より迅速に応答するものになっているようです。

2025年1月31日には、ChatGPTユーザーに向けて「OpenAI o3-mini」が公開され、無料ユーザーでも試用できるようになっています。
o3-miniはo1-miniの低コストと低遅延を維持しながら、優れたSTEM機能を提供するモデルとされていています。
o3-miniでは低、中、高の推論の努力オプションを利用することができ、レイテンシを重視する場合は低推論を、より複雑な推論を必要とする場合は高推論を利用するなど、場面に合わせた利用が可能となっています。

参考URL:OpenAI o3-mini |オープンAI
参考URL:OpenAI、推論能力を大幅に強化した新AIモデル「o3」を発表。AI開発競争、年末に激化 | WIRED.jp

Copilotでは現在、OpenAIの生成AIモデルである「GPT-4o」を利用しており、ThinkDeeperではOpenAI o1が活用されていることから、将来的にはOpenAI o3 、o3-mini の採用が期待されます。
また、今後登場するとされている「GPT-4.5」、「GPT-5」といった、GPT-4oの後継のAIモデルがCopilotでも利用できる可能性は高いと考えられます。

「GPT-4.5」と「GPT-5」

2025年2月12日には、OpenAIのCEOであるSam Altman氏がSNS上へGPT-4.5とGPT-5に関するロードマップを発表しました。
その中でもGPT-4.5は思考プロセスを利用しない最後のモデルになるとされています。
それぞれ独立していたGPTシリーズとoシリーズを統合することを目標として、GPT-5はo3を含むOpenAIの技術を統合したシステムとなると明らかにしています。

OPENAI ROADMAP UPDATE FOR GPT-4.5 and GPT-5: We want to do a better job of sharing our intended roadmap, and a much better job simplifying our product offerings. We want AI to “just work” for you; we realize how complicated our model and product offerings have gotten. We hate the model picker as much as you do and want to return to magic unified intelligence. We will next ship GPT-4.5, the model we called Orion internally, as our last non-chain-of-thought model. After that, a top goal for us is to unify o-series models and GPT-series models by creating systems that can use all our tools, know when to think for a long time or not, and generally be useful for a very wide range of tasks. In both ChatGPT and our API, we will release GPT-5 as a system that integrates a lot of our technology, including o3. We will no longer ship o3 as a standalone model. The free tier of ChatGPT will get unlimited chat access to GPT-5 at the standard intelligence setting (!!), subject to abuse thresholds. Plus subscribers will be able to run GPT-5 at a higher level of intelligence, and Pro subscribers will be able to run GPT-5 at an even higher level of intelligence. These models will incorporate voice, canvas, search, deep research, and more.

翻訳した文章
GPT-4.5およびGPT-5のOPENAIロードマップアップデート: 私たちは、意図したロードマップをより適切に共有し、製品の提供をはるかに簡素化したいと考えています。 私たちは、AIがあなたのために「ただ働く」ことを望んでいます。私たちは、モデルと製品の提供がいかに複雑になっているかを理解しています。 私たちはあなたと同じくらいモデルピッカーを嫌っており、魔法のような統合インテリジェンスに戻りたいと思っています。 次に、社内でオリオンと呼んでいたGPT-4.5を、最後の非思考モデルとして出荷します。 その後、私たちの最大の目標は、すべてのツールを使用でき、長時間考えるかどうかを知ることができ、一般的に非常に幅広いタスクに役立つシステムを作成することにより、oシリーズモデルとGPTシリーズモデルを統合することです。 ChatGPTと当社のAPIの両方で、o3を含む当社の多くの技術を統合したシステムとしてGPT-5をリリースします。o3を単体での出荷は終了いたしました。 ChatGPTの無料利用枠は、標準のインテリジェンス設定(!!)でGPT-5への無制限のチャットアクセスを取得できますが、悪用のしきい値が適用されます。 Plusの加入者はGPT-5をより高いレベルのインテリジェンスで、Proの加入者はさらに高いレベルのインテリジェンスでGPT-5を実行することができます。これらのモデルには、音声、キャンバス、検索、詳細な調査などが組み込まれます。

Sam Altman – X.com より引用

3.Copilot+ PC普及の加速化

Copilot+ PC」とは、Microsoftから2024年5月20日(米国時間)に発表された、AI向けに設計された新時代のPCカテゴリです。
今までのパソコンとは違い、Copilot+ PCはより効率的にAIを利用できるように NPU(Neural network Processing Unit) を搭載しているのが特徴です。
NPUによって、オンデバイスで様々なAI機能を利用できるように設計されています。
生成AIがより身近になった現在、Copilot+ PCでより手軽にAIを使うことができるという期待から、普及は加速するでしょう。

参考URL:Copilot+PC を購入する:新しい時代の Windows AI PC とノート PC | Microsoft Windows
参考URL:Copilot+ PC の紹介 – Microsoft 公式ブログ

Copilot+ PCでできること

Copilot+ PCの機能の一部として、以下のものが挙げられます。
・テキストやイラストに基づいて画像を生成する『コクリエーター
・ビデオ会議や動画視聴の際の字幕や、リアルタイムで翻訳される『ライブキャプション
・過去に行った操作や見たコンテンツを簡単に検索できる『リコール
 ※記事執筆時点(2025年3月現在)プレビュー版のみ

AIを利用したクリエイティブな機能や、コミュニケーションをサポートする機能などがあり、仕事はもちろん、プライベートでもより便利にCopilotを使うことができます。

参考URL:ペイントでCopilot+ PC機能を使用する – Microsoft サポート
参考URL:ライブ キャプションを使用してオーディオの理解を深める – Microsoft サポート
参考URL:リコールであなたの作業を遡って調べる – Microsoft サポート

Copilot+ PCの要件

Copilot+ PCの基本的なシステム要件としては
・Windows 11の最小システム要件を満たす
・プロセッサ:対応プロセッサまたは System on a Chip (SoC)
・RAM(メモリ):16GB DDR5/LPDDR5
・ストレージ:256GB SSD/UFS

を満たすものとなっています。
また、リコール機能を利用するために、Windows Helloによる顔認証が必要とされているため、顔認証のためのカメラが必要になるでしょう。

今まではAIモデルをCPUとGPUによって実行をしていましたが、より複雑で高性能なAIモデルを実行するために、従来のPCにはほとんど搭載されていなかった「NPU」が重要視されています。

参考URL:Windows 11 の仕様とシステム要件 | Microsoft
参考URL:Windows クライアントのリコールを管理する | Microsoft Learn

NPU搭載PCの低価格化で、Copilot+ PCがより身近に

Copilot+ PCの発表当初には、Qualcomm社の開発するSoCであるSnapdragonシリーズ以外は、Copilot+ PCに対応しているプロセッサはありませんでした。
しかし、大手CPUメーカーであるIntelやAMDからもCopilot+ PCの要件に対応するプロセッサが登場しています。

現在、Copilot+ PCの要件を満たしたパソコンは、おおよそ10万円から販売されています。
2025年1月7日には、QualcommからNPU搭載の安価なSoCが発表されており、より手頃な価格のCopilot+ PCの登場が期待されます。
このことから、今後は低価格で販売されるCopilot+ PCが増えることが予測でき、それによりニーズに合った選択肢も増えることで、Copilot+ PCの普及が加速すると考えられます。

参考URL:Snapdragon Xシリーズは、新しいプラットフォーム、ミニデスクトップフォームファクター、NPU搭載のAIエクスペリエンスでPCカテゴリを再定義し続けます|クアルコム

Copilotの今後の予測

Copilotでは現在、OpenAIの生成AIモデル「GPT-4o」をベースとしており、ThinkDeeperでは「OpenAI o1」が活用されていることから、将来的には「OpenAI o3」 、「o3-mini」 や、今後登場するとされている次世代モデル「GPT-4.5」、「GPT-5」がCopilotでも利用できる可能性は高いと考えられます。
MicrosoftとOpenAIのパートナーシップが、2030年まで続くことから、今後登場するOpenAIの生成AI技術が、CopilotをはじめとするMicrosoftの多くのサービスで活用されることが予想されます。

現在、生成AIというツールが急速に進化し、以前から身近にあったスマートフォンやパソコンで使えるようになったことで、より身近で便利なツールとして普及しました。
NPU搭載の低価格SoCの登場によって手に入れやすくなるCopilot+PCと、新世代のAIモデルでより賢くなるCopilotで、AIがさらに身近で欠かせないものになるのではないでしょうか?


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